お金のことでも、起業のことでも、カラダのことでも、食のことでも、相談をするとき、専門家を選ぶと思います。
目の調子が悪ければ眼科を選ぶと思いますし、風邪をひいたら内科ですよね。
選んだ時点で「これできっと良くなる」と、ひとまず安心感が得られると思います。
そのはずが・・・思っていた結果とちがうという経験はありませんか?
*目次*
コピー人間をつくろうとするコンサルタント
起業、カラダ、食、美容、ファッション、運動などテーマは何でも、問題を解決する仕事をしている人をコンサルタントとして考えていきますね。
クライアントさんの問題を解決するのではなく、自分のコピー人間をつくろうするコンサルタントが一定数います。
「自分と同じ道をたどってほしい」「自分のようになってほしい」という、お金を払う側として考えたら迷惑な願望を押し付けてくるタイプです。
ただ、これは悪意がないこともあります。
自分がやってきたこと、できたことだけを教えるのはラクなので、ただただそれをやっているという場合ですね。
意図的に自分と同じ人間をつくり上げようとしているわけではなく、結果的にそうなってしまう、という。
「あれ・・・?私の価値観は?私の考えは?」とあなたを置き去りにしてしまいます。
正確に言うと、それはコンサルティングでもなければ、コンサルタントでもないですが。
眼科を例えにして考えてみますね。
自分のメガネをすすめる眼医者
愛読している『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』の中に、わかりやすい例え話があるので紹介します。
初めて読んだとき、クスッときましたが、同時に納得!でした。
視力が落ちてきたので眼科に行ったとしよう。
医者は、あなたの話をしばらく聞いてから、自分の眼鏡を外し、あなたに手渡してこう言う。
「かけてごらんなさい。かれこれ10年もこの眼鏡をかけていますが、本当にいい眼鏡ですよ。自宅に同じものがもう一つありますから、これをあなたに差し上げましょう」
あなたはその眼鏡をかけるが、ますます見えない。
「だめですよ。全然見えません!」とあなたは訴える。
つづきます。
「おかしいなあ。私はその眼鏡でよく見えるのだから、もっと頑張ってごらんなさい」と医者は言う。
「頑張ってますよ。でも何もかもぼやけて見えるんです」
「困った患者さんだ。前向きに考えてみなさい」
「前向きに考えても何も見えません」
「まったく、何という人だ!私がこんなにもあなたの力になろうとしているのに」と医者はあなたを責める。
あなたは、もうこの医者に診てもらう気にはならないだろう。
診断もせずに処方箋を出す医者など信頼できるわけがない。
実際、自分のメガネを渡してくる医者がいたら・・・?と想像すると、ちょっと笑ってしまいますが、全く同じではなくても似たような医者はいますよね。
たいして、患者の話を聞かないお医者さん^^;
相手の話に耳を傾けることなく、自分の持っている答えを押し付ける人に気をつけましょう、というのも今回の一つのメッセージですが、この記事の本題はここからです。
あなたは大丈夫ですか?
上でお伝えした眼科の医者のようなことをやってしまっている、同業者の話を聞いたことはありませんか?
これは、仕事に慣れてしまうと起きてしまうことでもあります。
だからといって、仕方ないという話でもないですが。
最初はじっくり丁寧にヒアリングしていたのに、いつからか効率だけを追い求めるようになり、「お客さんが求めることは、どうせみんな同じ。これを与えておけばいい」と。
ここからは、あなたが販売者、提供者として考えていきます。
(私としても、緊張感のある内容です)
あなたは、これをやってしまっていないでしょうか?
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』の眼科の話は例え話ですが、自分のメガネをあげるのは一番カンタンな方法です。
すでに持っているものを渡すだけなので。
これは、”あなたのため”を装いながらも、”自分のため”だったりするんですよね。
ヒアリングする時間も精神力もカットできますし、それによってどうしたらいいのか考えることもカットできますから。
患者さんは他人に合っているメガネではなく、自分に対しての処方箋がほしいですよね。
では、患者さんがほしいものを聞いて、渡せばいいのか?というと、そうではありません。
患者さんがほしいものが、(まともな)医者から見て明らかにまちがっていることがあるからです。
尊重はするけれど
診察(ヒアリング)をして処方箋を出すことが大事ですが、患者さんがほしがっているもの渡せば問題解決!とはいかないんですね。
あなたもプロとして、販売、提供している中で、
「この言葉がほしいんだろうけど、これでは解決しないのよね」
「これさえ手に入ればいいと思ってるけど、そうじゃないのよね」
と思ったことはあると思います。
やっぱりそこは相手を尊重しながらも、しっかりヒアリングして必要な方向へ導かなくてはなりません。
本当にクライアントさんの問題を解決したいと思ったら、ここは外せないですよね。
また、その処方箋が使われないと意味がありません。
- 目薬を渡しても→目薬は怖いので使いたくありません
- 粉薬を渡しても→飲みにくいので飲みたくありません
- 塗り薬を渡しても→手がべとべとするのでイヤです
という人には、何を処方してもムダですよね・・・
ほしいものをあげればいいわけでもないですし、いろいろ渡しても取り入れない人には何をしてもムダになってしまいます。
では、具体的にどんなステップで、何をしたらいいのかは、次回に。
自分のメガネを渡すだけの人にはならないように、気をつけましょう。